転職の始め方

薬剤師の転職活動の流れ|準備から退職まで順番に解説

「転職しようかな」と思っても、

  • まず求人を見るの?
  • 履歴書はいつ作る?
  • 面接や職場見学はどのタイミング?
  • 今の職場にはいつ退職を伝える?

と、何から始めればよいのか迷うことがあります。

転職活動は、求人を見つけてすぐ応募するよりも、

希望条件を整理する → 情報を集める → 比較する → 応募する → 条件を確認する → 退職する

という順番で進めた方が、後から「思っていた職場と違った」というミスマッチを減らしやすくなります。

この記事では、薬剤師が転職活動を始めてから退職するまでの流れを、7つのSTEPに分けて整理します。

この記事でわかること

  • 薬剤師の転職活動の全体像
  • 最初に整理しておきたい希望条件
  • 求人情報を集める方法
  • 応募先を比較するときのポイント
  • 履歴書・職務経歴書の準備
  • 面接・職場見学で確認したいこと
  • 内定後の労働条件確認
  • 現職を退職するまでの流れ

薬剤師の転職活動はこの7STEPで進める

転職活動の基本的な流れは、次の7つです。

  1. 転職理由と希望条件を整理する
  2. 求人情報を集める
  3. 応募先を比較する
  4. 履歴書・職務経歴書を準備する
  5. 面接・職場見学をする
  6. 内定後に労働条件を確認する
  7. 現職を退職する

転職活動では、早く応募することよりも、

自分が何を求めているのかを最初に整理しておくこと

が重要です。

STEP1 転職理由と希望条件を整理する

求人を探す前に、

今回の転職で何を変えたいのか

を整理しましょう。

たとえば、

  • 年収を上げたい
  • 残業を減らしたい
  • 通勤時間を短くしたい
  • 在宅を経験したい
  • 病院で臨床経験を積みたい
  • 土日休みの職場を探したい

などです。

「今の職場が嫌だから」というだけでは、次の職場を選ぶ基準が曖昧になってしまいます。

希望条件を「Must」と「Want」に分ける

すべての希望を満たす求人が見つかるとは限りません。

そこで、

Must(絶対に譲れない条件)とWant(できれば満たしたい条件)

に分けてみましょう。

たとえば、

Must

  • 通勤30分以内
  • 夜勤なし
  • 年収500万円以上

Want

  • 土日休み
  • 在宅あり
  • 教育制度が充実

というように整理します。

条件に優先順位を付けておくと、求人を比較しやすくなります。

厚生労働省の「マイジョブ・カード」でも、これまでの経験や強み、価値観、今後やりたいことを整理しながらキャリアプランを考える方法が用意されています。

転職するかまだ迷っている場合は、

「薬剤師は転職した方がいい?迷ったときに確認したいポイント」

で、まず現在の悩みから整理してみてください。

STEP2 求人情報を集める

希望条件を整理したら、実際にどのような求人があるのか調べます。

求人を探す方法は一つではありません。

たとえば、

  • ハローワーク
  • 求人サイト
  • 転職エージェント
  • 病院・薬局・企業等の公式採用ページ

などがあります。

また、厚生労働省には、

  • job tag:仕事内容や職業情報を調べる
  • ハローワーク:求人を探す
  • しょくばらぼ:企業の職場情報を比較する

といったサービスがあります。

厚生労働省も、この3つを組み合わせて職業・求人・職場情報を調べる方法を案内しています。

1件の求人だけで決めない

最初に良さそうな求人を見つけても、すぐに決める必要はありません。

同じ薬剤師求人でも、

  • 給与
  • 休日
  • 残業
  • 業務内容
  • 勤務地
  • 教育体制

などは大きく異なります。

複数の求人を並べて比較することで、

自分の希望条件が現実的なのか

も見えてきます。

STEP3 応募先を比較する

求人を見ると、最初に年収へ目が行きやすいですが、年収だけでは働きやすさは分かりません。

最低限、次の項目を比較しましょう。

  • 基本給
  • 各種手当
  • 賞与
  • 昇給
  • 年間休日
  • 有給休暇
  • 残業
  • 勤務時間
  • 夜勤・当直
  • 勤務地
  • 転勤
  • 業務内容
  • 教育制度
  • 福利厚生
  • 試用期間
  • 退職金

厚生労働省の「しょくばらぼ」では、企業によって、

  • 月平均所定外労働時間
  • 有給休暇取得状況
  • 教育制度
  • 育児との両立支援
  • 採用・定着状況

などを確認できます。

求人票の条件だけでなく、

実際にどのような働き方ができそうか

まで確認しましょう。

薬剤師は配属先・異動範囲も確認する

特に薬局やドラッグストアなど複数店舗を持つ企業では、

  • 採用店舗
  • 配属店舗
  • 将来の異動範囲
  • 転居を伴う転勤の有無

を確認しておくことが重要です。

現在の勤務地だけを見て決めると、入社後に希望と異なる異動が発生する可能性があります。

STEP4 履歴書・職務経歴書を準備する

応募先が決まったら、

  • 履歴書
  • 職務経歴書

を準備します。

履歴書では基本的な経歴を、職務経歴書では、

これまでどのような仕事を経験し、何ができるのか

を整理します。

薬剤師の場合は、勤務先名や勤務期間だけでなく、

  • 調剤経験
  • 在宅経験
  • 病棟業務
  • OTC販売
  • 管理薬剤師
  • 後輩指導
  • 店舗管理
  • 疑義照会
  • 認定・専門資格
  • 研修歴

なども、自分の経験に応じて整理しておくとよいでしょう。

「担当した」だけでなく具体的に整理する

たとえば、

「在宅を担当した」

だけではなく、

  • 個人在宅
  • 施設在宅
  • 多職種連携
  • 医師への情報提供

など、自分が実際に何を経験したのかを整理します。

ただし、経験していないことを広げて書かないようにしましょう。

STEP5 面接・職場見学をする

書類選考を通過すると、面接へ進みます。

面接は、応募先が自分を確認するだけではありません。

自分自身が応募先を確認する場

でもあります。

面接で確認したいこと

求人票を見て疑問に思った点は、面接時に確認しておきましょう。

たとえば、

  • 実際の業務内容
  • 1日の仕事の流れ
  • 配属先
  • 異動
  • 残業
  • 教育体制
  • 入社後に期待される役割

などです。

曖昧なまま入職するよりも、入職前に確認する方がミスマッチを減らせます。

職場見学ができるなら確認する

職場によっては面接前後に職場見学ができる場合があります。

見学できる場合は、

  • 職場の雰囲気
  • スタッフ人数
  • 薬剤師と事務の配置
  • 設備
  • 実際の業務
  • 忙しさ
  • 職員同士の連携

など、求人票だけでは分からない部分を確認できます。

ただし、すべての職場で見学できるわけではありません。

見学できない場合は、面接時に気になる点を確認しましょう。

STEP6 内定後に労働条件を確認する

内定が出ると安心してしまいますが、ここは非常に重要です。

求人票の内容だけで最終判断しない

ようにしましょう。

厚生労働省は、求人票や求人広告と、採用時に行われる労働条件の明示は別のものとして説明しています。

実際に働く条件は、採用時に提示される内容を確認する必要があります。

最低限確認したい労働条件

  • 基本給
  • 各種手当
  • 賞与
  • 昇給
  • 勤務時間
  • 休日
  • 勤務地
  • 業務内容
  • 雇用形態
  • 試用期間
  • 転勤・異動
  • 業務変更の範囲

特に、2024年4月からは労働条件明示のルールが改正され、

就業場所や業務の変更範囲

なども明示事項として追加されています。

薬局やドラッグストアなど、複数店舗を運営している会社では、

「どこまで異動する可能性があるのか」

も確認しておきましょう。

面接時の説明と違いがないか確認する

面接で、

「残業はほとんどありません」

「転勤はありません」

などと説明されていた場合も、実際に提示された条件と一致しているか確認します。

厚生労働省によると、ハローワーク求人について「求人票と実際の労働条件が違う」という申出も発生しています。

そのため、

疑問があれば入職前に確認する

ことが重要です。

STEP7 現職を退職する

新しい職場が決まったら、現在の職場を退職する準備を進めます。

まず確認したいのは、

  • 雇用契約
  • 就業規則
  • 退職手続
  • 有給休暇
  • 引き継ぎ

です。

まず就業規則を確認する

会社によって、

「退職希望日の○か月前までに申し出る」

などのルールが定められている場合があります。

トラブルを避けるため、まず就業規則を確認しましょう。

法律上のルールと会社のルールを混同しない

期間の定めのない雇用契約については、厚生労働省も、民法上は原則として退職の申入れから2週間で契約が終了すると案内しています。

一方で、実際の職場では就業規則に退職手続が定められていることがあります。

円満な引き継ぎやトラブル防止のためにも、

法律上の一般ルールだけでなく、就業規則も確認する

ことが大切です。

有期契約の場合は扱いが異なる

契約社員など期間の定めがある契約では、無期雇用と同じ扱いではありません。

契約期間途中での退職は条件が異なるため、自分の雇用契約を確認してください。

有給休暇の残日数も確認する

退職前に、

有給休暇が何日残っているか

も確認しておきましょう。

有給休暇は退職後に使うことはできません。

取得を希望する場合は、引き継ぎや退職日との関係も含めて早めに確認しておくと安心です。

引き継ぎを整理する

薬剤師の場合、

  • 担当患者
  • 在宅
  • 発注・在庫
  • 麻薬
  • 管理業務
  • 行政対応
  • 後輩教育

など、自分しか把握していない仕事がある場合があります。

退職までに、

誰に何を引き継ぐのか

を整理しておきましょう。

転職活動で焦って決めないためのポイント

転職活動を始めると、

「せっかく内定が出たから」

「早く今の職場を辞めたいから」

という理由で、急いで決めたくなることがあります。

しかし、転職する目的は内定を取ることではありません。

転職後に納得して働けること

が重要です。

そのため、

  • 1社だけで決めない
  • 条件を書き出す
  • 年収だけで決めない
  • 疑問は入職前に確認する
  • 入職後の働き方を想像する
  • 最初に決めた譲れない条件を確認する

ことを意識しましょう。

転職活動チェックリスト

転職活動を進めるときは、次の項目を確認してみてください。

確認項目 チェック
転職理由を具体的に整理した □
譲れない条件を決めた □
希望条件に優先順位を付けた □
複数の求人を比較した □
年収以外の勤務条件も確認した □
配属・異動・転勤範囲を確認した □
履歴書・職務経歴書を準備した □
面接で疑問点を確認した □
職場の実態を確認した □
労働条件通知書等を確認した □
面接時の説明と条件に差がないか確認した □
就業規則の退職手続を確認した □
有給休暇の残日数を確認した □
引き継ぎ内容を整理した □

全部を一度に終わらせる必要はありません。

転職活動の進み具合に合わせて、一つずつ確認していきましょう。

まとめ|早く決めるより、順番に確認することが大切

薬剤師の転職活動は、

  1. 転職理由と希望条件を整理する
  2. 求人情報を集める
  3. 応募先を比較する
  4. 履歴書・職務経歴書を準備する
  5. 面接・職場見学をする
  6. 内定後に労働条件を確認する
  7. 現職を退職する

という順番で進めると整理しやすくなります。

特に大切なのは、

求人を探す前に、自分が何を変えたいのかを明確にすること

です。

そして内定後も、

求人票だけではなく、実際に提示された労働条件を確認する

ことを忘れないようにしましょう。

早く転職先を決めることが目的ではありません。

自分が納得して働ける職場を選ぶことが目的です。

次は、

「薬剤師の年収はどれくらい?年収を上げる方法と考え方」

で、薬剤師の年収と働き方について整理します。

出典・参考資料

※各公式ページのURLは2026年9月28日に確認しました。

よくある質問

転職活動はどのくらいの期間を見ておけばいいですか?

記事では具体的な期間を定めていませんが、希望条件の整理→求人収集→比較→応募→条件確認→退職という7つのSTEPを順番に進める流れを紹介しているため、各STEPに十分な時間を取れるよう、余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。

在職中に転職活動を進めても大丈夫ですか?

記事で紹介している7つのSTEP(希望条件の整理→求人情報収集→比較→書類準備→面接・職場見学→労働条件確認→退職)は、在職中に無理なく進められる順番を想定した流れです。退職は最後のステップとして位置づけられています。

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